【難治性の腰痛・股関節・膝関節痛と戦う】大阪市東住吉区うえ接骨院です。
多くの方から寄せられるお悩みの一つが、ひざの痛みです。
私の接骨院の利用者のうち、実に3割ほどの方が変形性ひざ関節症と診断されています。さらに残りの約7割の方も、診断名はついていないものの、将来的に変形性ひざ関節症へ進行する可能性のある「予備群」として、ひざの違和感や痛みに悩まれています。
私は柔道整復師として、日々ひざの痛みを訴える方の施術に携わっています。
これまで多くの方の身体をみてきた中で強く感じるのは、ひざ関節症、またはその予備群にあたる方の多くに「足首や足趾(そくし)」のトラブルが見られるという点です。感覚的には、8割以上の方に何らかの足部の問題があるといっても過言ではありません。
ひざ関節は足首と股関節の影響を強く受けています
ひざ関節は、股関節と足関節をつなぐ中継地点のような役割を担っています。
そのため、土台となる足関節にゆがみが生じると、その影響はダイレクトにひざへ伝わります。
たとえば、偏平足や外反母趾があると、足関節のバランスが崩れます。
偏平足とは、足裏の土踏まずがつぶれて平らになった状態のことです。
一方、外反母趾は足の親指が小指側へ曲がり、変形してしまった状態を指します。
どちらも土踏まずの機能低下を招き、足関節のゆがみを引き起こします。
こうした状態になると、身体は全体のバランスを保とうとして、ひざ関節を内側または外側へ向けて無意識に調整します。
この不自然な状態が何十年も続くことで、ひざ関節の軟骨が徐々にすり減り、痛みを伴うようになります。
そして最終的に、変形性ひざ関節症へと進行してしまうのです。
偏平足の改善がひざの負担を減らす第一歩

そのため、私たちはひざに痛みを抱えている方に対して、偏平足の改善を重視した指導を行っています。
ひざそのものだけでなく、「足元から整える」という視点がとても重要だからです。
まずは、ご自宅で簡単にできる偏平足のチェック方法から取り入れてみるとよいでしょう。
偏平足は、土踏まずのアーチを支えている靭帯や腱、筋肉が、加齢による変化や長時間の立ち仕事、歩行量の多さ、無理な運動などによって機能低下を起こすことで生じます。
本来保たれるべき土踏まずが維持できなくなることで、足全体のバランスが崩れてしまいます。
土踏まずを取り戻すためには、足裏の筋肉を適切に使い、鍛えていくことが欠かせません。
正しい方法で足裏の筋肉が働くようになると、足関節の位置が安定し、それに伴ってひざ関節の位置関係も自然と整っていきます。
お皿周りの筋肉の硬さも見逃せません

また、ひざに痛みを抱えている方の多くに共通しているのが、ひざのお皿周りの筋肉の硬さです。
筋肉が硬直すると、ひざの曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなり、その結果、動作のたびに痛みが出やすくなります。
痛みを和らげるためには、筋力をつけるだけでなく、筋肉の柔軟性を高めることも非常に大切です。
特にお皿周囲の筋肉をやさしく緩めることで、ひざへの負担を軽減することができます。
足裏とひざを同時に整えるセルフトレーニング
そこで今回は、足裏の筋肉を鍛えながら、同時にひざのお皿周りの筋肉の柔軟性を高めるトレーニングを2つご紹介します。
まずは偏平足のチェックから。
※足裏の筋肉が硬かったり冷えているときに急に力を入れると足裏の筋肉がツルことがあります。いわゆる「こむら返り」です。なのでまずはかるくほぐすかストレッチをしてから行ってください。
ストレッチは足の指をぐーっと反らして足裏を全体的に伸ばしましょう。
偏平足のチェック
①直立して足の人差し指が腰骨のでっぱる位置まで足を広げます(肩幅くらい)。
②右手の人差し指を右足の土踏まずに入れてみましょう。
③入れた人差し指の第一関節まで入れば正常。入らなければ偏平足と判断できます。
④反対も同様にチェックしましょう。
足裏のトレーニング

①イスに浅く座り右足を30㎝程度あげましょう。
②右足の甲を下げるようにして足首を下げます。
③右足の指をギュッと握ります。
④できるだけカカトをカラダに寄せて5秒間力をいれます。
⑤反対も同様に(地べたに座ってやるなら同時に行ってもOK)
ひざお皿まわりのマッサージ
①イスに浅く座り、右足の力を抜きましょう。
②右ひざのお皿まわりの太ももを両手でギュッと掴みます。
③内側にまわして5秒間保持します。そしてパッと放しましょう。それを5回ほど繰り返します。

④右手で右ひざのお皿を包み、時計回りに5回まわします。次に反時計回りにもまわしましょう。
また、右手親指でお皿を色々な方向に押して動かしてみましょう。

⑤反対も同様に。
どちらも1セット3~5回を目安に、1日2セット行うことをおすすめしています。
実践する時間帯も重要で、朝と就寝前に1セットずつ行うのが理想的です。
朝に行うことで、身体が整った状態で一日をスタートできます。
また、日中の活動で崩れたバランスを、就寝前のトレーニングでリセットすることで、睡眠の質を保ちながら翌朝を迎えることができます。
この習慣を続けることで、少しずつ身体が本来の正しい状態に戻っていくのを実感できるでしょう。
初期であれば改善は十分に可能です
変形性ひざ関節症は、初期の段階であれば、適切なトレーニングとケアを継続することで、痛みのない生活を取り戻すことは十分に可能です。
セルフトレーニングを日常に取り入れながら、定期的にお近くの治療家のチェックや指導を受けたり、必要に応じて整形外科でひざの状態を確認したりすることも大切です。
ひざの痛みを「年齢のせい」と諦める前に、ぜひ足元からの見直しを意識してみてください。
関連ページ:変形性ひざ関節症について
コメント