【心因性腰痛】心と腰痛の深い関係について考える

腰痛

【難治性の腰痛・股関節・膝関節痛と戦う】大阪市東住吉区うえ接骨院です。

腰痛というと、多くの人が「筋肉が固まった」「骨盤が歪んでいる」「姿勢が悪い」といった体の問題を思い浮かべると思います。

実際、腰痛の原因として筋肉や関節の働きが悪くなっている場合は少なくありません。しかし、腰痛の背景には「体だけでは説明できない要素」が関わっているケースも存在します。

今回は、腰痛に対する新しい視点として「心と腰痛の関係」について考えていきます。体の痛みに対処するだけでなく、心の状態にも目を向けることで、腰痛の理解や改善につながるかもしれません。


腰痛は心のサインかもしれない

「腰痛は体の異常ではなく、心のSOSである」

この考えを提唱したのは、アメリカの医学博士であり心理学者でもあるジョン・サーノ博士です。

サーノ博士は長年にわたり腰痛患者を観察し、その多くが画像診断では異常が見つからないにも関わらず強い痛みを抱えていることに疑問を持ちました。

そこで心理面との関連を調べていった結果、サーノ博士は「腰痛の多くは抑圧された怒りやストレスによって生じる」と結論づけました。

博士はこれをTMS(緊張性筋炎症候群)と呼び、世界中で注目される概念になりました。


サーノ博士が示した「腰痛と怒り」の関係

サーノ博士は、腰痛に大きな影響を与える感情として「怒り」を挙げています。

これは、激しく爆発するような怒りだけではなく、自分でも意識できないほど深く潜んだ怒りも含まれます。

怒りが蓄積される原因には次のようなものがあります。

1. 日常生活におけるプレッシャーによる怒り

私たちは仕事や家事、人間関係の中で多くのストレスを受けています。

責任を果たそうとするほど「完璧でなければならない」「失敗できない」と自分自身にプレッシャーをかけてしまうことがあります。

それが無意識のうちにストレスとなり、心のなかに怒りとして蓄積されることがあります。

2. 幼少期の体験による怒り

幼いころの経験が今の心に影響することがあります。

例えば、
・親に認めてもらえなかった
・叱られることが多かった
・自分の気持ちを表現できなかった

こうした体験によって、心の奥に押し込められた感情が残り続け、それが大人になってから身体症状として現れる場合があります。

3. 欲求が満たされないことによる怒り

人には「こうしたい」「わかってもらいたい」「休みたい」「認められたい」といった欲求があります。

しかし、それが叶わない状態が続くと、自分でも気づかないうちにストレスとなり、怒りがたまっていきます。


体が痛みをつくる理由

では、なぜ体は怒りやストレスを「腰痛」という形に変えてしまうのでしょうか。

サーノ博士は、「痛みは心が壊れることを防ぐための防御反応である」と説明します。

私たちは精神的なダメージを受けた状態が長く続くと、うつ状態、不安症、パニック発作などの症状が出る可能性があります。

体はそれを避けるために、代わりに痛みを作り出し、意識を精神的ストレスから身体症状へ向けさせるという仕組みが働くという考え方です。

つまり、

「心が限界に達する前に、身体が痛みというブレーキをかけてくれている」

ということです。


痛みの背景に気づくことが回復の第一歩

ここで大切なのは、「全部心のせい」だと結論づけることではありません。腰痛には骨格や筋肉、神経が関わっている場合もあります。

そのうえで、もし治療を受けても改善に繋がらない腰痛であれば、心の状態にも目を向けてみる価値があります。

自分に問いかけてみてください。

・最近我慢していることはないか
・人に言えないストレスを抱えていないか
・大切な気持ちを抑え込んでいないか
・本当に疲れているのに無理していないか

気づくことで、痛みの感じ方や体の緊張が変わる場合があります。


まとめ

腰痛は単なる体の問題ではなく、心と深く関係している場合があります。

サーノ博士の考え方によれば、腰痛は抑圧された怒りやストレスの結果であり、心を守るために起きる現象でもあります。

身体をケアすることはもちろん大切ですが、もし慢性的な腰痛が続く場合は、心の状態にも目を向け、感情と向き合ってみることが回復への近道になるかもしれません。

自分の体と心の声に耳を傾けながら、少しずつ無理なく向き合っていくことが大切です。

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