【難治性の腰痛・股関節・膝関節痛と戦う】大阪市東住吉区うえ接骨院です。
変形性股関節症の痛みには、さまざまなタイプがありますが、炎症を伴う強い痛みが出ているときには、普段とは違った対応が必要になります。
この時期に無理をしたり、間違ったケアをしてしまうと、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
炎症が起きているときの痛みの特徴
股関節に炎症が起きているときは、患部に熱っぽさ(熱感)があるのが特徴です。
歩いたときだけでなく、じっとしていても痛みが強く、夜寝ているときに寝返りを打つだけで激痛が走ることもあります。
その結果、眠れなくなり、睡眠不足に悩まされる方も少なくありません。
このような状態のときは、まず安静を最優先に考える必要があります。
炎症があるときに「やってはいけないこと」

痛みが強いと、つい温めたくなってしまいますが、炎症があるときに温めるのは逆効果です。
例えば、
・熱いお風呂に入る
・使い捨てカイロで温める
・温湿布を貼る
といった行為は、炎症をさらに悪化させてしまいます。
また、病院でよく処方されるモーラステープなどの貼付剤も、血行を促進する作用があるため、炎症が強い時期には使用を控えたほうがよい場合があります。
お酒を飲む習慣がある方も、この時期はできるだけ控えるようにしてください。
自分でできる応急処置を知っておくと安心です

炎症を伴う痛みが出ているときに役立つ応急的な対処法として、
ここでは 「アイシング」 と 「固定」 についてご紹介します。
氷水で行う正しいアイシング法
アイシングに必要なものは、次の通りです。
氷、ビニール袋2枚(氷のうでも代用可)、水、塩ひとつまみ。
ビニール袋は、スーパーのレジ横に置いてある透明の袋で十分です。
さらに、ハンカチなどの薄手の布があると安心です。
アイシングは、必ず氷水で行うことがポイントです。
ビニール袋を2枚重ねにし、中に氷を入れて少量の水を加え、塩をひとつまみ入れます。
しっかり口を結び、水が漏れないようにします。
準備ができたら、薄手の布を肌にあて、その上から痛みが最も強い部分に当てて、軽く動かしながら30~40分ほど冷やします。
氷水は0℃以下にならないため、正しく行えば凍傷の心配はありません。
アイシングが終わったら、患部には冷湿布を貼るようにしてください。
冷やしたあとは「動かさない工夫」が大切
アイシングの後で重要なのが、股関節周辺をできるだけ動かさず、安静な状態を保つことです。
そのために役立つのが、さらしを使った固定です。
薬局などで購入できる10メートルのさらしを用意し、縦に3等分に折って切り込みを入れます。
そこから縦方向に裂いて、3本のさらしを作ります。
このうち2本を使用し、ロール状に巻いて準備しておきます。
股関節の周囲をやさしく支えるように固定することで、余計な動きを抑え、炎症が落ち着くのを助けてくれます。
強い痛みがあるときほど、落ち着いた対応を
変形性股関節症の炎症による痛みは、とてもつらいものです。
しかし、この時期に無理をせず、冷やす・安静にする・負担をかけないという基本を守ることで、回復への土台を整えることができます。
痛みが落ち着いてきたら、次の段階として体の使い方や負担の減らし方を考えていくことが大切です。
まずは今の痛みを悪化させないことを最優先に、ご自身の体を労わってあげてください。
炎症があるときに役立つ「包帯固定法」のやり方と考え方
変形性股関節症で炎症を伴う強い痛みが出ているときは、股関節をできるだけ動かさず、安静な状態を保つことが何よりも大切です。
そのために有効なのが、アイシングの後に行う「包帯固定法」です。
包帯固定は、股関節周囲を安定させ、余計な動きを抑えることで、炎症の悪化を防ぎ、痛みを和らげることを目的としています。
幅広の伸縮包帯(弾性包帯)を使おう

昔は「さらし」を使って固定することが多かったのですが、今は伸縮する弾性包帯のほうががもっとも現実的で入手しやすい代用品です。
ドラッグストアや薬局で購入できます。
メリット
・巻きやすく、固定力を調整しやすい
・体にフィットしやすい
・さらしよりズレにくい
注意点
・伸びすぎると締めすぎになる
・長時間使用すると血流を妨げることがある
→ きつく引っ張りすぎず、「支える程度」を意識してください。
包帯固定法の基本的な巻き方

使用する包帯は2本です。
それぞれ役割が異なるため、巻く順番が重要になります。
1本目:骨盤から太ももへ巻く
最初の1本は、骨盤のあたりに5回ほど巻いてから、大腿部(太もも)へと巻いていきます。
太ももの太さによって回数は前後しますが、ポイントはたるみが出ないように、軽く引っ張りながらしっかり巻くことです。
この包帯は、骨盤と太ももをつなぐ役割を持ち、股関節の動きを安定させる土台になります。
2本目:太ももから骨盤へ巻く
2本目は、大腿部に10回ほど巻いてから、骨盤のあたりへと巻いていきます。
ウエストや骨盤の大きさによって回数は調整してください。
こちらも、たるまないように引っ張りながら巻くのがポイントです。
この巻き方であれば、包帯を巻いた状態でも「立つ」「座る」といった日常動作は大きな支障なく行えます。
炎症による痛みがある時期は、アイシングの後に行うのがおすすめです。
包帯固定が股関節を守る理由
太ももに巻いた包帯は、筋肉を外側から支えるサポーターの役割を果たします。
炎症があるときは筋肉がうまく働きにくくなりますが、包帯が補助することで太ももに力が入りやすくなります。
その結果、歩行時に足を地面についたときの衝撃を、太もも部分で吸収しやすくなり、股関節に直接かかる負担を軽減してくれます。
一方、骨盤の周囲に巻いた包帯には、
・上半身の重さによる負担を分散する
・太ももに巻いた包帯がずれ落ちないように支える
という2つの大切な役割があります。
包帯を巻く期間と注意点
包帯は、痛みが落ち着くまで、基本的には就寝時も巻いたまま過ごします。
炎症が軽減し、お風呂に入れる状態になったら、入浴時はいったん外してください。
入浴後は、
アイシング → 冷湿布 →包帯を巻き直す
という流れを守ることで、炎症の再燃を防ぎやすくなります。
固定していても「安静」が最優先です
包帯を巻いているからといって、無理に動いてよいわけではありません。
炎症を伴う痛みが出ている時期は、最小限の動作で生活することを心がけてください。
痛みが落ち着いてきた段階で、マッサージやストレッチ、リハビリなど、次のステップに進むことが大切です。
まずは、今の痛みを悪化させないことを第一に、股関節をしっかり休ませてあげましょう。
包帯固定は「締め付ける」のではなく「支える」
「動きを止める」のではなく「余計な動きを抑える」
この感覚を大切にしてください。
変形性股関節症炎症期ケア|まとめ
炎症を伴う強い股関節の痛みが出ている時期は、何よりも安静を保ち、余計な動きを減らすことが重要です。
包帯を使った固定法は、アイシング後に股関節周囲を安定させ、炎症の悪化を防ぐための有効な方法です。
太ももと骨盤を適切に支えることで、歩行時の衝撃を分散し、股関節への負担を軽減してくれます。
ただし、固定しているからといって無理をするのは禁物です。
痛みが落ち着くまでは最小限の動作にとどめ、回復の土台を整えることが大切です。
炎症が治まった後に、段階的にケアやリハビリへ進むことで、股関節を守りながら日常生活へ戻ることができます。
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