【難治性の腰痛・股関節・膝関節痛と戦う】大阪市東住吉区うえ接骨院です。
変形性股関節症と診断されると、「運動しなければいけない」「筋力をつけないと悪化するのでは」と不安になる方は少なくありません。
しかし、実際には痛みがある時期に無理な対策を続けることで、かえって症状を悪化させてしまうケースも多く見られます。
股関節は体重の影響を強く受ける関節であり、体の使い方や生活習慣によって負担の大きさが大きく変わります。
本記事では、変形性股関節症の方がまず意識したい体重管理の考え方と、痛みがある時期に避けたい行動、そして回復を妨げないための基本的なポイントをわかりやすく解説していきます。
変形性股関節症で最初に意識したい「体重管理」

変形性股関節症のケアにおいて、まず意識しておきたいのが体重管理です。
股関節やひざ関節は「荷重関節」と呼ばれ、立つ、歩くといった日常動作のたびに上半身の体重を支えています。そのため、体重の増減が症状に大きく影響します。
股関節には、通常の歩行でも体重の2倍以上、階段の昇り降りでは4倍以上の負荷がかかるといわれています。
40代、50代になると関節を支える筋力は自然に低下していくため、それだけでも股関節は負担を受けやすい状態です。
そこに体重増加や股関節の形成不全が加わると、変形性股関節症が進行しやすくなります。
最近では体重管理アプリなどもありますから、うまく活用してみてはいかがでしょうか。
体重を数キロ落とすだけでも股関節は楽になる
体重管理というと難しく感じるかもしれませんが、実は数キロ体重を落とすだけでも、股関節への負担は大きく軽減されます。
スーパーでブロック肉を見たとき、「これだけの重さが常に股関節にのっている」と想像すると、体重の影響がイメージしやすいでしょう。
今の体重から少し減らすだけでも、痛みが和らいだり、動きやすさが改善したりする方は少なくありません。
特別な運動ができなくても、体重管理そのものが立派な股関節ケアになります。
運動できない時期こそ食生活の見直しが重要
「股関節が痛くて運動できないから太ってしまう」という声はよく聞かれます。
しかし、運動量が減っている時期こそ、食生活の見直しが重要です。
体重が増えている方の多くは、ご飯や麺類などの炭水化物、甘い物、お酒などを日常的にとり過ぎている傾向があります。
運動で消費できない分、食事量や内容を調整することが、股関節への負担を減らす現実的な方法になります。
股関節の痛みを長引かせないためにも、生活習慣全体を見直していきましょう。
筋力強化よりも優先すべきは「痛みの回復」
変形性股関節症では、筋力低下そのものが直接の痛みの原因になるわけではありません。
そのため、痛みが強い時期に無理に筋力強化を行う必要はありません。
むしろ、痛みを抱えたまま筋トレを続けることで、症状が悪化してしまうケースもあります。
まずはマッサージやストレッチ、負担の少ないリハビリなどを通して、痛みを落ち着かせることを優先しましょう。
実際に、筋力強化をいったん中止しただけで痛みが軽減する方もいます。
変形性股関節症では注意したい筋力トレーニング
一般的に勧められている筋力トレーニングの中には、変形性股関節症の方には負担が大きすぎるものがあります。

例えば、横向きに寝て足を真っすぐ上げる運動は、股関節に強い負荷がかかりやすく、関節を痛めてしまうおそれがあります。

また、ボールなどを内股に挟んで太ももの内側を鍛える運動も注意が必要です。
変形性股関節症の方は内転筋が緊張していることが多く、さらに鍛えることで痛みが増す場合があります。
痛みが落ち着いてから行いたいおすすめの筋力強化法
痛みが軽減してきた段階で、無理のない範囲で取り入れたいのが、股関節周囲の筋力強化です。
①股関節の外側の筋肉を鍛える運動
まず意識したいのは、股関節の外側にある中臀筋です。
この筋肉は、骨盤を安定させ、歩行時のバランスを支える重要な役割を担っています。
・横向きに寝て股関節とひざを90度に軽く曲げます。(動画は画角の都合で股関節90度ではありません)
・手の平を膝に添えます。
・足と床が平行になるように5秒ほどかけて足をゆっくり持ち上げて下ろす動作を行います。
②お尻の筋肉を鍛える運動
・うつ伏せになり膝を90度に曲げます
・足を床から3センチ程度ゆっくり上げて、ゆっくり降ろします(動画はちょっと早かったですね。3~5秒かけてゆっくり行ってみてください)
①②の運動を10回(はじめのうちは5回でもOK)繰り返したら、膝を伸ばしてリラックス。
1日3セットを目安にやってみましょう。
最初は回数を少なめにし、痛みが出ない範囲で続けることが大切です。運動後は、使った筋肉をやさしくマッサージしましょう。
お尻の筋肉をやさしく目覚めさせる
もう一つおすすめなのが、お尻の筋肉である大臀筋を鍛える運動です。
うつぶせになり、ひざを軽く曲げた状態で、足を床から数センチ浮かせるように動かします。反動を使わず、ゆっくり行うことがポイントです。
回数は控えめから始め、少しでも痛みが強くなる場合は中止してください。
無理をしないことが、結果的に股関節を守ることにつながります。
変形性股関節症では「無理をしない判断」が回復を早める
変形性股関節症のケアで何より大切なのは、「今の状態に合った対処を選ぶこと」です。
筋力強化はあくまで痛みが落ち着いてから取り入れるものです。
痛みがあるうちは、回復を妨げない生活とケアを優先しましょう。
体重管理、痛みのコントロール、そして段階的な筋力強化。
この順番を意識することが、股関節を長く大切に使っていくための基本になります。
変形性股関節症ケア|まとめ
変形性股関節症のケアで大切なのは、闇雲に運動や筋力強化を行うことではなく、まず股関節にかかる負担を減らすことです。
特に体重管理は、股関節への荷重を大きく左右する重要な要素になります。
痛みが強い時期は筋力強化を優先せず、マッサージやストレッチ、生活習慣の見直しによって痛みの回復を第一に考えましょう。
無理なトレーニングは症状を悪化させる原因になりかねません。
痛みが落ち着いた段階で、股関節を守るための適切な筋力強化を段階的に取り入れることが、長く自分の脚で歩くための近道になります。
関連ページ:変形性股関節症|楽になったセルフケア
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